入学準備

選考基準

大学院の入学選考基準には、成績証明書やテストスコア、実務経験、推薦状、エッセイおよびパーソナル・ステートメント、ビデオ、願書、インタビューが含まれます。全ての志願者は長所と短所の両面を併せ持っています。したがってR1では志願者へ、どのように長所を強調することによって、短所を補うことができるかについて、レジュメや推薦状、エッセイおよびパーソナル・ステートメント、ビデオ、願書、インタビュー対策において、特に力を入れて指導をしています。

成績証明書

  • 多くの大学院志願者は、ほとんどの一流大学院の平均GPA(成績評価値)が4段階評価中、通常3.5からそれ以上の値で示されているため、自身のGPAについて懸念しています。
  • R1のアドバイスとして、自分自身でコントロールすることができないことは心配しないことです。過去、すなわち成績証明書を変えることはできません。したがって、大学院志願者として、あなたの魅力を高めるために、今できることに集中することです。
  • 入学審査官は、志願者の資質や能力の全てをさまざまに組合せて評価します。したがって、志願者の得意分野を強調して示すことにより、弱点分野を補強することができます。

テストスコア

  • 志願者は、エッセイと願書が確実に選考されるために、競争力のあるテストスコアを獲得する必要があります。
  • 志願者が不十分なテストスコアのまま一流大学院に出願した場合、その志願者のエッセイおよびパーソナル・ステートメントや願書は選考されることなく却下されてしまうことがあります。
  • 出願に必要なテストスコアは、それぞれのプログラムや各大学院の間で大幅に異なります。たとえば、合格者のGMAT® の平均点が700点を大きく超えているトップビジネススクールもあります。
  • あるトップビジネススクールは、志願者のGMAT® の結果が、620点というテストスコアであったけれども、この才能のある海外からの志願者を受け入れました。ただし、このようなケースは非常に珍しいです。
  • GRE® Generalテストの得点とGMAT®テストの得点の比較をするには下記のツールをご利用ください。
    https://www.ets.org/gre/institutions/about/mba/comparison_tool
  • 出願に要求されるTOEFL® iBT やIELTS® のテストスコアは、それぞれのトップスクールで異なります。
  • トップビジネススクールの中には、ミニマムスコアを開示するところもあります。殆どの合格者は最低でもTOEFL® iBTで105点、IELTS® では7.5点のテストスコアを取得していますので、この事実を海外からの志願者は心得ていてください。

実務経験

  • 大学院の学究的プログラムの中には、ほとんど、あるいはまったく実務経験のない志願者でも入学を許可するところがあります。しかし、多くのトップビジネススクールは、入学時点で、少なくとも4~5年の実務経験があることを要求しています。
  • MBA志願者の中には、4年未満の実務経験でも入学を許可される方がいるかもしれませんが、通常そのようなケースは珍しいです。一般的に、MBA志願者の実務経験の内容は、在職期間よりも重視されます。
  • ビジネススクールの志願者には、有意義な実務経験が求められます。これは、ビジネススクールの学生が教授から学ぼうとしているだけではなく、クラスメートからも学ぼうとしているためです。
  • MBA志願者の実務経験は、チームで働き、問題を解決し、対立を解決し、人々とプロジェクトの両方を管理するそれらの能力を証明するべきものです。
  • 一流の経営学大学院に入学を許可された志願者の実務経験を見ると、責任職への昇進、リーダーシップの発揮、組織に対する大きな影響力がうかがえます。

推薦状

  • 推薦状は、大学院志願者の長所と短所を含む資質や能力を証明し、またさらにそれを詳しく説明するために、重要なものです。
  • それぞれのプログラムや各大学院の間で具体的な条件は異なりますが、通常ほとんどの北米のビジネススクールは、雇用者からの推薦状を好みます。但し、実務経験が少ない志願者の場合、大学からの推薦状でも受理される可能性はあります。
  • 多くのヨーロッパのビジネススクールは、大学教授のうちの一人によって準備された推薦状を提出するよう志願者に要求します。しかしこれは、大学卒業後の経過年数が長い志願者にとって、しばしば不可能な場合があります。ただし、適切な対応策がありますので、それにより対応することができます。
  • 欧米の学究環境にて最も意味のある推薦状とされるのは、志願者のことをよく知り、そして詳しく評価できる人によって書かれたものであり、長所、短所、成果、貢献、経営者としての資質についての具体的なコメントを例とともに書かれている推薦状です。
  • 志願者とあまり面識がない重役や教授からの推薦状で、志願者について曖昧な内容の記述がされているものは、推薦状として不利になりがちです。
  • 2016年以降、多くの経営学大学院では、MBAの願書や推薦状の出願プロセスを合理化するため、GMACのThe Common Letter of Recommendation (LOR)を採用しています。詳細は下記ウェブページをご確認ください。
    https://www.gmac.com/reach-and-recruit-students/prepare-candidates-for-the-exam-classroom/common-letter-of-recommendation-lor.aspx

エッセイおよびパーソナル・ステートメント

  • 志願者は、エッセイおよびパーソナル・ステートメントで、将来の目標を明確に示し、関心事や動機、能力、文書によるコミュニケーション力の高さを入学審査官にしっかり伝えることが重要です。
  • 海外からの志願者は、エッセイおよびパーソナル・ステートメントによって、何千もの他の志願者と自分との差別化を図り、その大学院プログラムが自分に適している理由、またその逆に、自分がそのプログラムにふさわしい理由を説明することができます。
  • エッセイおよびパーソナル・ステートメントの最も重要な要素は、たずねられている質問に答えるために選択するトピックです。またさらに、入学審査官は、構成、使用語彙、格調、文法なども評価しています。エッセイの内容は、すべて偽りなく正確であることが必要です。
  • オプショナルエッセイは、志願者の資質や能力について誤解を招くものや、詳しい説明が必要な事項(例えば低いGPAまたは経歴の補足)に対する説明の機会を提供します。
  • 海外からの志願者は、カウンセラーからのアドバイスを受けた後、自分でエッセイおよびパーソナル・ステートメントの草案を英語で作成することが重要です。これは出願書類を準備するうえで最も効率的な方法です。

ビデオ

  • 多くのビジネススクールでは、MBA出願者を評価するもう一つの判断基準として、ビデオエッセイやビデオインタビューを出願プロセスに組み込んでいます。ビジネススクールは、どのような形式(対面式、スカイプ、電話) でインタビューを行ったとしても、志願者の手配、管理、評価にかなりの時間と労力を費やす必要があるため、ビデオを利用することにより、どのMBA志願者に正式なインタビューの招待状を提示するかを決定するための「事前審査」に使うことができ、新たな時間とコスト削減をもたらすツールとして使用されました。例えば、ビデオエッセイやビデオインタビューから、MBA出願者がビジネススクールの活発な教室でのディスカッションに積極的に参加するための十分な英語力が不足していることが明らかになった場合、ビデオエッセイやビデオインタビューを出願プロセスに組み込んでいる学校は、そのような出願者を正式なインタビューの候補者へ昇進させる機会を与えることなく除外します。

願書

  • 願書で使用される英語は、エッセイおよびパーソナル・ステートメントで使用されている英語の質やスタイルと一貫していることが、非常に重要です。
  • 願書は、必ずカウンセラーの校閲を受けた後に出願してください。また、一旦数校の願書の準備を行うと、その作成基盤が確立しているため、次回の願書準備と校閲に費やす時間は短くなります。
  • 願書も、エッセイおよびパーソナル・ステートメントと同じく慎重に作成することにより、志願者は、全てに最善を尽くして競争力のある出願書類を準備したという、「安心感」を得ることができます。

インタビュー

  • 通常、ほとんどの一流大学院は、海外からの志願者へ最終判定を下す前に、インタビューを行います。
  • トップビジネススクールの多くは、招請ベースでインタビューを行います。したがって、志願者にインタビューの招請が来なかった場合、大学院から入学の許可を得る可能性は極めて低くなります。
  • 招請ベースでインタビューを行っているトップビジネススクールに入学するためには、競争力のあるテストスコアの獲得、魅力のあるエッセイおよびパーソナル・ステートメントの作成、そして願書を準備することが絶対不可欠です。
  • それぞれのビジネススクールによりますが、インタビューは、欧米人の入学審査官、MBA2年生、あるいはMBA卒業生と対面式、電話、スカイプ(ビデオ通話経由)のいずれかにて行われます。
  • 対面式インタビューは、電話やスカイプのインタビューより行いやすいため、多くの志願者に好まれています。学校によっては、オンキャンパスおよびオフキャンパスにて対面式インタビューを実施しています。
  • SkypeインタビューはWi-Fi電波が弱いなどの技術的な問題のため難しい場合があることに留意してください。これは、円滑なコミュニケーションを困難にし、面接官の出願者に対する評価に悪影響を及ぼす場合があります。
  • 英語が堪能で流暢な志願者の場合、英語を母国語とする志願者と比べられることもあるのですが、オンキャンパスでのインタビューを検討してもよいでしょう。また、英語が堪能でない志願者の場合は、オフキャンパスでインタビューを行うほうが有利です。
  • ビジネススクールのインタビュー形式にはさまざまな種類があります。従来の形式を用いる学校もあれば、ケーススタディやグループ演習、行動特性評価のような、独自の形式に沿って行う学校もあります。
  • 大学院出願準備の全ての面でそうであるように、的を絞った総合的な準備が、インタビューで成功する鍵となります。