合格体験談
純ドメスティックの私がMBAにチャレンジするということは、私の人生最大の挑戦であったといっても過言ではありません。しかしながら、苦労の結果、複数のTOP校から合格を勝ち取ることができたことは私にとって大きな自信につながるとともに、その私をしっかりとサポートしてくれた人たちに非常に感謝しています。
以下では、私のMBA受験体験記と、その受験期間中、最も重要なサポートをしてくれたMr. Roundについて述べたいと思います。
【バックグラウンド】
職業: 証券関係6年
海外経験: なし (旅行程度)
私費/社費: 社費
TOEFL®: 273 (L:27 S/W:27 R:28 TWE:5.0)
GMAT®: 690 (Q:48 V:35 AWA:4.0)
GPA: 3.5 (早稲田大学政治経済学部経済学科)
進学先: University of Virginia (Darden)
その他合格校: University of Michigan Business School
【テスト】
(1)TOEFL®
正直に言いまして、TOEFL®は思い出すだけでもイヤなテストです。受験期間中のストレスの大半はTOEFL®のせいであったといっても過言ではありません。StructureとReadingは比較的安定していたものの、純ドメスティックな私は予想どおりListeningで一番苦労しました。
しかしながら、Listeningはいくら練習してもすぐに効果が現れるということはありません。従って、ETSが出版しているオフィシャル問題集(PBT用)のCDを1日数時間は集中して聞き、かつシャドウイングを繰り返すということを辛抱強く4ヶ月間続けました。また、後述のMr.
Roundとのカウンセリングが全て英語だったということもありましたので、極力このカウンセリングの時間も有効に使うべく、メールではなく、直接会ってカウンセリングを受けることで英語を聞く能力の強化の足しにしました。
GMAT®と違い、TOEFL®は急激に点数が上下するものではないと言われますがまさにそのとおりです。私は都合11回受けましたが、点数は毎回微妙に上がっていき、最後の最後でやっと満足のいく点数が出たときには本当にホッとしました。特にListeningは目に見えて効果が現れるものでもないため、勉強中は「本当にこれで大丈夫か。」とかなりあせりますが、良い教材を集中して聞く訓練をしていれば着実に実力は付いているはずですので、あきらめずにがんばってください。
(2)GMAT®
これも確かに曲者ですが、私にとってはListeningが無い分、それほど苦痛ではありませんでした。もちろん出てくる単語や文章の難易度と量はTOEFL®とは比較にならないのですが、TOEFL®よりも運の要素が強く、コツを掴んでしまえば「一種のゲーム」と割り切ることができそうだったので、何とか乗り切ることができました。(ちなみにTOEFL®のListeningはもろに実力を試されます!)
平成15年8月に初めてGMAT®を受験したときには560点という点数をとってしまい、先行きが思いやられましたが、ETSのオフィシャルガイドを繰り返し解くことで傾向を掴み、ゲーム感覚を覚えるよう努めたところ、徐々にGMAT®特有のコツのようなものが分かりだしてきました。その結果、2回目の9月の受験時には690点を取ることができました。比較的早めに「闘える点数」を取ることができたのはMBA受験のプロセスにおいて非常に重要だったと思います。
なお、私が身をもって体験したことですが、GMAT®とTOEFL®の両方で苦しんだままエッセーを書き始めなくてはならない状況になると本当に苦しいです。皆さんもGMAT®とTOEFL®のどちらかは早めに終わらせるよう心がけてください。(でも実際はなかなか思うようにいかないものですよね。)
【エッセー・カウンセリング】
MBA受験プロセスにおいて最も重要だと思われるのがこのエッセー、そして後述のインタビューだと思います。従いまして、優れたカウンセラーと出会い、お互いを良く知った上で効率的にエッセーに取り組み、自分をアピールするのに最適なエッセーを書き上げることが、確実に合格するための秘訣の1つでしょう。この点で、Mr.
Roundという最高のカウンセラーから約6ヶ月間に渡り、質の高いカウンセリングサービスを受けることができたことは、私にとって最大のアドバンテージであったことは間違いありません。
私とMr. Roundとの出会いは平成15年8月のことでした。当時、TOEFL®が伸び悩んだまま夏を終え、これからGMAT®に加えて最大の難関であるエッセーにも取り掛からなくてはならない状況にあった私は、
1.自分を熟知してくれるカウンセラーに専属で見てもらいたい。
2.週1回、決められた時間にカウンセリングを受けたい。
3.自分を最高に光らせてくれる、経験と知識のあるカウンセラーに見てもらいたい。
という理由により、Mr. Roundにエッセー・カウンセリングを行なってもらうことにしました。1と3は当然ですが、2も以外と重要です。受験期間中は膨大な作業をこなすよう自分の時間をマネジメントしなくてはなりませんから、希望した時間に予約が取れないなんてことになってしまうと全てが狂ってしまいます。また、私はTOEFL申込みの苦い経験から、自分で予約を入れるタイプのものは必ずあとまわしにしてしまうという悪い習性に気付いていましたので、後手に回らないためにもあらかじめ時間が決まっているというのは重要でした。
これは結果として非常に良かったと思っています。週1回決められた時間のカウンセリングというスタイルは、受験期間中を通して余計なストレスを与えることなく、かつ良いタイムキーパーとなってくれました。
以下はMr. Roundから受けたエッセー・カウンセリングサービスの具体的な内容です。
(1)レジュメ作成 【平成15年8月】
恐らくほとんどの人にとって、レジュメを作成するという作業は初めての経験だと思います。自分の経歴を淡々とまとめる履歴書をイメージしていた私は、このレジュメをかなり侮っていましたが、アドミッション曰く、レジュメ次第で第一印象も大きく変わりますので、本当に重要です。出願書類の提出時からインタビューにいたるまで、最後の最後まで至るところで使いますので、決して侮らず、念入りに作成してください。
私はMr. Roundから記載内容はもちろん、文章の体裁、フォントの大きさ、紙質まで非常に細かいアドバイスを受けたおかげで、時間はかかりましたが本当に見栄えの良いレジュメを作り上げることができました。某学校のインタビューでレジュメを出した際に、「本当に良くまとまっているレジュメだね。どこかでトレーニング受けたことがあるの?」と聞かれたほどです。繰り返しになりますが最初の一歩でアドバンテージを得るためにも、レジュメは念入りに作成しましょう。
(2)推薦状のチェック 【平成15年8〜9月】
自分の推薦者が英語に堪能な方であれば全く問題ないのですが、推薦者としてふさわしい方が必ずしも英語で推薦状を書き上げるほどの能力を持っているとは限りません。私の場合もそうでして、推薦者3人とも、英会話は問題ないものの、恥ずかしくない推薦状を書くことができるほどの英語力は持ち合わせていませんでした。従いまして、私と推薦者の間で触れるべき項目と内容について相談の上、各項目についてのドラフトを用意し、それを使ってMr.
Roundに推薦状の形に作り上げてもらうことにしました。(本当は推薦状の中身を出願者が見てはならず、推薦者のみで書き上げなくてはならないのですが、推薦状を自分で用意することによって、内容を自分でコントロールでき、エッセーで触れることができない点を補完できるというメリットもありますので、私は推薦状も自分で用意することをお勧めします。)
例えば自分のことを3人の立場から書くことを想像してください。極力同じ言葉を使わないように、かつ異なる評価をしたとしても、やはり英語を母国語としない我々にとって同じような言葉を使わずに書くのは至難の技です。Mr.
Roundは3つの推薦状を文面や単語はもちろん、フォントやフォーマットまで全く異なるように作ってくれました。もちろんそれだけならネイティブなら誰でもできるのですが、彼はレジュメ作成を通して私のことをかなり理解してくれたこともあり、ドラフト段階では触れられていなかった私の強みや弱みについて指摘し、掘り下げてくれるとともに、それをよりアピールする形で推薦状に盛り込んでくれました。(もちろん、加えられた内容は推薦者にも了解を得ています!) この段階で私の彼への信頼は絶大なものになったと言ってもよいでしょう。最終的に1ヶ月かけてすばらしい推薦状が3通できあがりました。
(3)出願校選定 【平成15年9月】
推薦状作成にあわせて行なった作業はこの出願校選定です。幸いにも私は会社の派遣選考の段階で志望動機とキャリアゴールがしっかりと固まっていましたので、どういう特徴のある学校で学びたいかはほぼ決まっていました。その上で、妻と2人で初めての米国生活ということもあり、環境面を考慮して出願校を決めることにしました。
「これは危険すぎる。Safety Schoolをもっと含めるべきだし、各学校の選考ラウンドも考慮すべきだ。また、出願校ももっと多いほうがいいだろう。」
これは私が最初にMr. Roundに出願校リストを見せたときの彼の返事です。正直に言って、行きたい学校だからこそエッセーにも力が入るのだし、受かっても行かない学校に出願するメリットなんてあるのかなと半信半疑だったのは確かです。しかし、年々MBA受験が厳しくなっているという現実の中、全滅して行くところが無いという状況だけは避けなくてはならない身でしたので、ある程度のSafety
Schoolも入れることにしました。
私がMr. Roundに信頼を寄せることになった要因として彼のアドバイスの上手さがあります。私の出願校リストに対して単に「ダメ」というだけではなく、必ず、何故ダメなのか、出願戦略はどう立てるべきなのか、といったアドバイスをくれました。 また、彼は出願校リストにあるなしに関わらず、各学校の特徴(日本人が合格しにくい、GMAT®を重視する、ファースト・ラウンドなら受かりやすい等。)を経験に基づき丁寧にアドバイスしてくれるとともに、私の希望、バックグラウンド及びキャリアゴールにフィットした学校を様々な角度から提案してくれました。その結果、自分だけの学校研究では気付かなかった隠れた学校についても出願する機会を得ることができました。
「この出願校でどうだ?」、「まだ危険すぎる。何故なら・・・」というやりとりを数回繰り返したでしょうか。最終的に双方が納得する14校分の出願校リストと出願タイミングを決めることができました。なお、14校といっても全校に出願するわけではなく、例えば1月の時点で合格が出ていればA校は出願せず、B校に出願する、TOEFL®とGMAT®が伸び悩めばC校ではなく、D校にするなど、ある程度のフローチャート化されたものです。幸いにも1月中旬に第一志望群のTOP10校から合格がでたこともあり、実際は出願校リストの半分ぐらいにしか出願しませんでしたので、一見無駄に思えるかもしれません。しかし、出願校を幅広く構えることによって出願校リストの学校への興味も徐々に沸いてきますし、また、多くの学校を知ることでインタビュー時にその学校を他校と差別化して自分へのフィット具合をアピールすることができますので、私としてはこのような「広めの出願校リスト作成」をお勧めします。
(4)エッセー 【平成15年9月〜平成16年1月】
上にも述べましたが、エッセーこそ、合否を左右する最大の要因になると思います。エッセーのできが悪いとインタビューにすら呼ばれない可能性もありますので、エッセー・カウンセリングだけは本当に経験があり、自分との相性が良いカウンセラーから受けるようにしてください。
エッセー・カウンセリングが始まるまでのレジュメ作成、推薦状作成、そして出願校選定のプロセスを経て、Mr. Roundは私の職歴、学歴、趣味及びボランティア活動等はもちろん、私がMBA取得に対して求めるものやキャリアゴールを十分に理解してくれたのでしょう。私のエッセー・ドラフトに対する彼のアドバイス及びカウンセリングの進め方は本当に驚きの連続でした。私自身、常に最高のドラフトを提出するよう、死に物狂いでエッセーを用意しましたが、カウンセリングを経ることによってそれが見違えるほどアピーリングなエッセーに変わっていくのを見ていると、次のカウンセリングを受けるのが待ち遠しくてたまらない状況にまでなりました。MBA受験で一番大変と言われているエッセー・カウンセリングを楽しく受けることができたのも、彼のカウンセリング・テクニックはもちろん、アドバイスとモチベーションの与え方の上手さがなせる業だったのでしょう。
最も印象的だったのは、ある学校のケース・タイプのエッセーに取り組んだときのことです。ある企業の主力商品を担当するマネージャーの倫理を問うエッセーだったのですが、私のドラフトに対して彼は、「君のドラフトは結論である倫理面においてはすばらしいが、『なぜそういう対策を採るべきなのか』という流れに対する説得力が弱い。その点を強化するために、Igor
Ansoffの”Three Intensive Growth Strategies”モデルに基づいて、君の対応策に導くための流れに説得力と論理性を加え、メインである倫理面へとつながるエッセーにしてみてはどうか?」とのアドバイスをくれました。まさにこのようなアドバイスこそが、自身もMBAを取得し、かつ豊富なエッセー・カウンセリング経験を持つMr.
Roundの最大の武器なんだなと思った瞬間です。アドバイスの結果、出来上がったエッセーは非常に論理的であり、かつ焦点である倫理面を抑えたものになりました。もちろん、そのエッセーを提出した学校からはインタビューのオファーをもらうことができました。(そのインタビューは、直前にDardenに合格したため辞退しましたが。)
単にドラフトをチェックし、決められた字数内に収めるのではなく、知識と経験に基づいたアドバイスをしてくれ、出願者を動機付ける彼のカウンセリングには本当に助けられたと同時に、MBAを取得するに当たって、自分もこのような形で周りの人間を動機付けることができればな、と感じることも良くありました。また、彼のサービスを受けるにつれて、MBA受験のための目的を再度見直し、ランキング等にとらわれない、本当に自分にフィットした学校を選ぶことの大切さを改めて実感することができました。1校分のエッセーを書き上げ、そのすばらしさにお互いが納得するものつかの間、すぐさま次のターゲット校のエッセー課題に対して2人でいろいろな意見を出し合ったことは、今でも楽しい思い出です。
【インタビュー・トレーニング】
Mr. Roundからは数回インタビュー・トレーニングを受けました。彼曰く、「君のコミュニケーション能力はそれほど悪くないため、あとはインタビューアーに対する効果的な質問を用意するだけだ。」、とのことでしたので、もっぱら彼とは「Killer
Questions」作りを行ないました。質問をするに当たっては単に疑問点を投げかけるのではなく、学校のことをよく研究しているという姿勢をアピールするとともに、相手の心理面に訴えかけることで好印象を与える質問の仕方のトレーニングを行ないました。
こういったトレーニングは自分だけではなかなかできないものですし、友人や身の回りの家族など、自分を良く知っている人間では先入観がありますので、なかなか客観的な評価をもらうことができません。この点、Mr.
Roundから極めて客観的に見た上での印象と改善策をもらい、トレーニングを繰り返すことで、最終的にインタビューは非常に自身を持って望むことができるようになりました。
【最後に】
年々厳しくなっていると言われているMBA受験において、複数のTOPスクールから合格をもらい、進学先に悩むという贅沢な悩みまで経験できたのは、受験勉強を始めたころの私にとっては想像もできないような結果でした。合格を勝ち取るに当たって私自身、非常に苦しみ、また大変な努力をしたことは自信を持って言うことができますが、その大変な受験期間において常に自分を客観的に見つめてくれ、的確なアドバイスをくれるMr.
Roundの存在は本当に大きなものでした。彼と出会うことができたのはMBA受験期間中の最大の財産であり、また、今後も大きな財産であることは間違いありません。
皆さんがこれから経験するであろう受験勉強は間違いなく大変だと思います。しかし、その受験期間を乗り越えて得ることができるものは、受験期間の辛さで補って余りあるものだと思います。その辛い受験期間を的確にナビゲートしてくれるのがカウンセラーであり、カウンセラー選びによって受験の結果そのものが左右されるといっても過言ではありません。本当に信頼できるカウンセラーを見つけることからMBA受験勉強はスタートすることを忘れないでください。
最後になりましたが、皆さんが最高の結果を得ることができるよう、心から応援しています。自信を持ってがんばってください。
以 上